VAIOに録画しながら見ているので、ずいぶん遅ればせながらのレビューになってしまいますが、フジテレビ系列で放送している新ドラマ「わたしたちの教科書」に注目しています。電車男の伊藤淳史と菅野美穂が主役を好演していて、さらに第一話で無念にも転落死してしまう女子中学生役に、「女王の教室」で子役ながら抜群の演技力を発揮し、その後「14歳の母」で着実に『女優』としてのスケールアップを果たした志田未来が演じています。普通だったら金八先生みたいにイジメが深刻化する前に、それを阻止する方向で話が展開すると思うのですが、このドラマでは生徒が自殺してしまった後から物語がスタートし、それ以前にはイジメの兆候が全く見られない、というところにリアルな怖さがあります。病んだ教師たち、マニュアル主義で心の込もっていない学校側の対応、真実に無関心な人々・・。全てが現実の社会をそのまま切り取っているかのような、そんな絶望的な状況に立ち向かうのが、新米教師と弁護士の2人。彼ら自身も決して頼もしい存在でないというのが、このドラマの面白いところであり、ついつい続きが見たくなってしまうポイントだと思います。わたしたちを取り巻く悲愴な現実を前に、小さな奇跡は起こるのでしょうか?
伊藤淳史演じる臨時教師・加地耕平は、熱血なだけで相変わらず頼りないキャラだし、今にも長いものに巻かれてしまいそうな弱さがあります。菅野美穂演じる弁護士・積木珠子も、クールで殺伐としているけれど、決して他人のために動くタイプではないし、私生活にも問題が山積しています。そんな2人が、事故死してしまった女子中学生とほんの少し交流があったから、というだけの理由で真相究明に乗り出します。誰一人身寄りのいなかった彼女の魂を弔うために・・。


DVDドラマ「東京フレンズ」で大塚愛と競演した真木よう子や、BS-iのドラマ「ケータイ刑事」シリーズで謎の男を怪演していた佐藤二朗など、今までマイナーなシーンで活躍していた俳優が、加地の同僚の教師役としてレギュラー陣を固めていて、こちらも見逃せません。さらに劇中で流される音楽が、どれも情感あふれていていいなぁと思っていたのですが、これは岩代太郎率いる『東京都交響楽団』による本格的なクラシック演奏を使っているのだとか・・。(主題歌はBONNIE PINK)
音楽といえば、珠子(菅野美穂)がいつも夕食を食べに立ち寄るさびれた定食屋「洋食ブラジル」でも、店内に常にオールディーズのナンバーが流れていて、見ているだけでどっぷりレトロな雰囲気に浸れます。それにしても、家に帰れば美味しいコーヒーを入れてくれる恋人がいるのに、どうして毎晩のように場末の定食屋でまずいコーヒーを飲んでいるのか?(誰にも邪魔されない一人の空間が欲しいのか・・?)いまどきのキャリアウーマンの不思議な二面性を感じさせますね。
風のまにまに号

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