新婚旅行3日目(5/29)からいよいよ3泊4日のナローボート・B&Bクルーズが始まります。朝10時に、昨日足を伸ばしたエイボン川ほとりの観光案内所でキャプテンプークの淳子さんと待ち合わせしていたので、マックでさくっと朝食を済ませて現地へ向かいました。待ち合わせ場所に現れた淳子さんは、非常に快活で明るい方だったので、ひと安心・・。ところが、淳子さんの話では数日前からエイボン川が増水してしまい、ボートが乗り入れできなくなってしまったそうで、歩いて5分ほど先のストラトフォード運河の係留所まで荷物を持って移動することになりました。町の裏通りを抜けて橋を渡ったところに、細い運河と馬ひき道が見えてきました。その傍らに美しいブルーの船体を覗かせているのが、今日から4日間の私たちと旅路を共にすることになるウォーキーズ号です。
早速ボートに乗り込み、荷物を運び入れることになった私たちは、想像以上に広くてくつろぎやすい船内の様子に驚かされました。運河や水門を通り抜けられるように、狭い横幅が決められてしまっているナローボートですが、縦の長さは船によっては結構な余裕があるので、特に宿泊専用にカスタマイズされているウォーキーズ号は、ことのほか快適です。最大4名まで宿泊できるので、セミダブルのベッドが2つに、トイレ、洗面所、シャワールーム、その奥にキッチンとダイニングルームが続きます。ベッドの回りには小物が置ける棚やミニ・クローゼットまで揃っているので、荷物を広げても全然問題ありません。



荷ほどきもそこそこに、早速エンジンを始動したウォーキーズ号に揺られて、まずは運河を進む景色を楽しもうと、2人で舳先のベンチの方へ出てみました。風に当たりながら、すぐ目の前で水をかき分けて進んでいる感覚はとても気持ちがいいし、水面を行く鴨や付近に停泊している色とりどりのボートを眺めているだけで、次々と新鮮な驚きがありました。ただ、淳子さんの話によると、さらに運河を進み郊外へ移るほど、回りの景色はより広大で綺麗になっていくそうです。


しばらく行くと一つ目の水門が見えてきました。水門の手前で一度ボートを係留し、水門の開け方をレクチャーしてもらうことになりました。水門は2枚セットになっているのですが、まずは手前の水門を開けてボートを中に入れ、開けた水門を閉めなければなりません。水門には巨大なレバーが付いているので、これをテコの原理で押して開けます。見た目的にはすごい重労働ですが、地面には足を掛けるステップも付いているので、うまく体重を乗せれば思ったよりも簡単に動かすことができます。




淳子さんの運転でボートを中に入れたら、今度は入り口の水門を閉めて、反対側の水門から水を放水し、ボートの水位を進行方向の運河と同じ高さまで上げていきます。水門のバルブを開くには、「水門の鍵」と呼ばれる専用のレンチを使うのですが、これも固いときには結構回すのに力が要ります。水位が上がったらこちら側の水門を開いて再度出航・・。このようにして高低差のある難所を越えてボートを進めていくのが水門のメカニズムです。全て水の圧力と人間の力だけに頼っているので、100年前に作られた水門でもそのまま使えてしまう、というのがすごいですよね・・。




この日のコースは、こんな調子で11個もの水門を開け閉めしなければならなかったのですが、この後イギリスでは珍しいどしゃ降りに襲われてしまい、雨やあられまで降り注ぐ中を進む強行軍となってしまいました。そんな中、雨具を着込んで夫婦2人で水門係を請け負い、次第にコツをつかんみながら次々に水門を攻略していきます。もちろん、誰よりも動きの早い淳子さんには、運転の傍らその都度水門の開閉も手伝ってもらっていたのですが・・。
そんなわけで、クルーズ序盤から結構大変な目に遭ってしまいましたが、今になって思うとこれもいい思い出・・。雨の中でもひときわ美しいイギリスの大自然と空の光景は忘れられません。イギリスの田園地帯はとにかく空が広いので、雨雲が遠くからやって来るのを視界に捕らえると、ザーザーと向こうの空で雨が降り注いでいるのが肉眼ではっきり見えるのです。これは何ともいえない情景でした。(続く)

風のまにまに号

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