スカパーのスターチャンネルで「ヴァン・ヘルシング」を観ました。19世紀ヨーロッパの闇社会でモンスター・ハンターとして名を馳せるヴァン・ヘルシング博士が、トランシルヴァニアのドラキュラ伯爵と対決するというストーリー。映像面でも全体の構成としても、近年稀に見るアドベンチャー映画の快作として仕上がっていると思うのですが、主演俳優がヒュー・ジャックマンとケイト・ベッキンセールの2人なだけに、どうしても過去の出演作とオーバーラップしながら見てしまいます。なにしろ、ケイト・ベッキンセールはヴァンパイア映画の話題作「アンダーワールド」でアクション・デビューを果たし、ヒュー・ジャックマンは「X-MEN 」で狼男のようなパワーを持つウルヴァリンを演じて一世を風靡したのだから仕方ありません。それでも、一番良かったと思う点は、主演2人の演技がこの映画の方が断然光っていたということです。
ケイト・ベッキンセールの毅然とした演技はますます磨きがかかって、アクション映画の主役を張れるだけの貫禄が伴って来たし、どこか優柔不断なウルヴァリンとは違って、ヴァン・ヘルシングを演じるヒュー・ジャックマンは、決意と情熱を秘めたなかなかいい「目」をしています。いっそ、このコンビで続編を作ってもいいぐらいな気がするのですが、ストーリー的に言ってそれは難しいでしょうか・・?
この映画で何より注目したいのは、映像的な迫力とスピード感です。吸血鬼ものにありがちな画面の「暗さ」が払拭され、この映画に出てくるヴァンパイアは白昼堂々空を駆け回りながら襲ってきます。(白昼と言っても、当然日の当たらない薄闇という設定ですが・・)吸血鬼が空を飛ぶ、というアイデア自体が新しいと思うのですが、ゴゥッと超高速で飛んでくるそのスピード感が圧倒的です。それに対して、連射式ボーガンや回転カッターといった近代兵器だけを頼りに立ち向かうヴァン・ヘルシングのアクションも、なかなかユニーク。
少々難解なストーリーと、次々登場するモンスターたちに惑わされることなく、こうしたアクションシーンだけに純粋に目を向ければ、万人が楽しめる新感覚映像だということがお分かりいただけるのではないでしょうか?映像面で言えば、他にも最新のVFXで描き出されたトランシルヴァニアのドラキュラ城の荘厳な美しさや、パリやヴァチカン、霧深い森の中でのチェイス・シーンからブタペストでの華やかな仮面舞踏会と、次々に場面の変わる舞台背景が見ていて飽きさせません。
ストーリーが後半に移るに連れて、やや冗長な展開になってしまうきらいはあるのですが、ヴァン・ヘルシングとドラキュラ伯爵の知られざる因縁を描いたりと、実はごく「正統」なヴァンパイア映画の系譜を受け継いでいるのだから、それは致し方ないところ・・。むしろ、悲しい結末なのにサワヤカなハッピーエンドとして見せてしまう、その手腕と挑戦心に素直に拍手を送りたいと思います。個人的にはフランケンが妙に人間っぽい性格なところが、かわいくてお気に入りです。
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