先日紹介した映画「ドニー・ダーコ」ですが、その不可思議なラストシーンについて私なりに解釈を考えてみたのでここに書いておきます。まだ映画を観ていない方は、ネタバレになってしまうので続きを読まないでください。
この映画のラストシーンで明らかになったのは、28日後に落下したジェット機のタービンが、時空の渦を超えてタイムスリップしたということ。28日前のドニーの死を決定付ける要因であったタービン落下が、28日間は不確かな存在だったため(まだ存在しないタービンだから)、結論が保留されたその期間だけ「ドニーが死ななかった未来(A)」というパラレルワールドが出現してしまった。(「シュレディンガーの猫」のように)

「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」で説明された理屈に乗っ取って、結果として採用された「ドニーが死んだ未来(B)」の方に時間軸が収束されたので、ドニーが生きていた世界は消えてしまった。(マーティーが1955の過去を変えたことで、1985の「ビフの犯罪天国」というパラレルワールドは消滅した)フランクが予告したのはそのタイムリミットのこと。
一種のタイム・パラドックス状態に陥っていたドニーは、未来の情報を記憶としてかすかに保持していて、それを幻覚や予兆という形で知ることができた。だが、それらの情報の善し悪しまでは判別することができず、結果として最も印象に残っていたウサギ男・フランクにまつわる記憶=グレッチェンの死を回避することはできなかった。
この28日間にドニーがフランクの指示の元でとった一連の行動は、グレッチェンが「過去に戻れたら素敵な思い出を作りたい」と言っていたことに例えられる通り、残された時間をせいいっぱい楽しむためのものではなかったか?
- 学校を洪水にする→グレッチェンと付き合うきっかけを作る
- カニングハム宅に放火→母親が家を空ける原因を作り、最後のハロウィーンの夜にドンチャン騒ぎを楽しむため
28日と6時間42分12秒後に起こった巻き戻し(リバース)現象は、ドニーがタイムスリップしたわけではなく、パラレルワールドがもう一つの世界に収束したことを表現しただけの描写である。ドニーはそのことを悟って、ただ運命を受け入れるが、元のベッドの中に戻った所でおかしさのあまり爆笑し、そこへタービンがが落下する。
・・と、まあこんな感じに考えたのですが、残る問題はエピローグでの以下の2点です。
- 「ドニーが死んだ世界」で、ドニーのことを知らないはずのグレッチェンが、ドニーの母親に手を振っていたこと
- リバース直後に、あの晩の町の人々の様子が次々と映し出されるシーンで、ベッドの脇にうずくまったフランクが、ドニーに撃たれるはずの右目を押さえていたこと
サイケデリックなように見えて、実は本格SFなお話。それが私の見立てです。こんな解釈いかがでしょうか?この映画観た方がいましたら、ぜひコメントなどお寄せください。
風のまにまに号

超オソイ反応で申し訳ないですが・・・
こちらの解説で非常にスッキリしました。
ありがとうございます。
はじめまして。
TBさせていただきました。
趣旨にそぐわない場合は削除ください。
時空を超えた(遅い)コメントですが、いい解釈だと思います。特にラストの爆笑の意味は考えつかなかったです。しかし、何をきっかけに28日前に戻れたのでしょうかね?
こんにちは。
『ドニー・ダーコ』を一度観て以来、気になっていたので、
いまさらwebで検索して回り、こちらへ辿り着きました。
youthkeeさんの解釈は優れていますが、私はSFだとは思っていません。
「一瞬の夢だった」という解釈に賛同しています(自分と同じように
捉えていた方がいらした事に驚きましたが)。
主人公は、自分の見た夢のあまりの荒唐無稽さに爆笑したのだと思います。