夢遊病癖のある主役の少年の頭の中を映像化したかのように、全編が夢のような心地良い映画。ミュージック・クリップのように身を委ねたくなるシーンが多く、絶妙な選曲と映像のコンビネーションが何より楽しめました。一番気に入ったのは前半で主人公が始めて高校に登校するシーンで、ちょっとヘンなノリのロックに合わせて、カメラが蠅の目線にでもなったみたいに、次々に色んな人にフォーカスが当たるシーン。普通の映画の文法から見ると、一体何を強調したいんだろう?と考え込んでしまうところですが、実はこのシーン、単にその後の主な登場人物をスピーディに紹介してるだけなんですね・・。あまりにナチュラルで2回観ないと気付きませんでした。
ストーリーは、妄想癖があって精神科医のカランセリングも受けている高校生ドニー・ダーコが、ある夜自分の部屋にジェト機のタービンが落下する、という受難に遭遇するのですが、偶然外に出ていたため間一髪で助かります。ところがその後、ウサギのかぶり物をしたフランクという男の幻覚が現れて、「あと28日と6時間42分12秒で世界が終わる」と予告され、身の回りで次々と不思議な事件が起こり始める・・というお話です。
全て主人公の妄想なんじゃないかと思わせておいて、後半に移るに連れてタイムトラベルや未来予知といったSFチックな話題に展開していって、意外と筋道の立った方向に収束していきます。最後には、今までばらまかれていた数々の伏線が、パズルのピースのように一つになって「なるほど」と納得感を与えてくれる圧巻のラストシーンでした。だからといって決して全ての謎が解けるわけではなく、いかようにも解釈できる不可思議な映画ですが、きちんとヒントが提示されているだけタチがいいのではないでしょうか?一応私なりの解釈も考えてみたので、また追って別エントリーで投稿したいと思います。(ネタバレになってしまうので、まだ観ていない方は読まないでください)
色々な映画からの引用も目立つ作品で、まず飛行機事故から奇跡的に生還した主人公の身に次々に不幸が襲いかかる、という設定は「ファイナル・デスティネーション」と一緒だし、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「死霊のはらわた」に及んでは、タイトルや映画そのものが劇中に登場してしまいます。あともう一つ、昔TVで観たB級映画で、主人公の少年が新しく買ったゲームソフトをプレイすると、ピエロみたいな男にそそのかされて夜な夜な危険な犯罪を侵してしまう。そしてついには自分の父親をも殺してしまうのだが、実はそれすらもゲームの中の仮想現実に過ぎなかった・・、という映画があって、題名を忘れてしまったのですが、その映画ともすごく展開が似ています。(誰か題名をご存知の方がいたら教えてください!!)
あと、ドリュー・バリモアが教師役で出演しているのですが、この映画、ドリュー・バリモアが製作総指揮も務めていたんですね。彼女が製作に関わっている映画は今のところどれも面白いので、ひょっとすると実力派かも・・。(チャーリーズ・エンジェル フルスロットル、25年目のキス..etc)
風のまにまに号

コメントする