
年末年始にパート1の再放送がまとめてやっていたので、全部ではないのですが録画して観てみました。最初の方の何話かを観た時点では、とにかく話の内容が暗いし、月並みな展開ばかりでちょっと食傷気味だったのですが、3話連続の最終回「FACE」という回を観たら、謎解きの部分も二重三重に仕組まれていて「推理もの」としても奥が深いし、それ以上にこのドラマ自体が、死者の視点で生を振り返る「擬死体験セラピー」とも言うべき側面を持っていたのだ、ということに気が付きました。
釈由美子演じる「怨みの門」の門番・イズコは、死んだ人間のその後の身の振り方を導いてあげる、あの世のツアー・コンダクターのような存在です。この世の未練や怨みに固執するのか、きちんと成仏して生まれ変わるかを決めるには、「進路指導」と一緒で、死者一人一人の人生を振り返ってカランセリングしていかなければなりません。
ところが、最終回に登場する女の子は、数十年間ひきこもり続けたまま殺されてしまったため、人生そのものが中身のない「空っぽ」です。そんな彼女が、何人もの人の人生を自分に重ねるように垣間見てきたイズコの体験こそが、自分と同じような「空っぽ」の人生を補うための「生き直し」の行為なのだ、ということを見抜きます。そこで、実はイズコ自身も人間らしい愛を受けずに不遇の死を遂げて、死者として怨みの門にやってきた一人なのだ、という事実が明らかになるのですが、人を教え導くことが、本人にとっても治癒や成長の意味を持つ、というなかなか奥の深い構造ですね。大学などで、学生どうし先輩が後輩に教えるティーチング・アシスタントのようなものです。
最後には、その女の子もイズコも無事それぞれのセラピーを終了し、その後の選択を決断して、ちょっと意外なラストへと展開します。イズコってあんな服装をしてるから、てっきり安土桃山時代の人かと思ってたんですが、そういうわけではなかったみたいですね・・。毎回登場するけど意味が不明だったリサイクルショップの親子も、最後に存在理由が明かされるので安心しました。
患者を催眠状態にして幼い頃の記憶を呼び覚まし、過去のトラウマを探り当てる心理学的なセラピーや、最近では「前世」の記憶を呼び起こす前世療法なんてものまでありますが、このドラマで描いているのは「自分が死んだらその後どうなる?」という未来の部分まで含んだシュミレーションとなっているので、その辺の想像力が観る人に一種のカタルシスを与えるのかもしれません。
現在放送中のパート2のホームページでは、毎週その日のお話で「自分だったらどれを選択する?」というのを投票形式で募集していて面白そうです。
風のまにまに号


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