14歳-食べられる肉の呪い

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梅図かずおの「14歳」という漫画を読んでいます。「漂流教室」に次ぐ梅図かずおの長編漫画で、ホラーというよりは本格SFという感じの作品です。週刊スピリッツに連載していた10年ほど前にちょっと読んだ事はあったのですが、よくこんな怖い絵の漫画を連載するなー、というのが正直な印象でした。今回文庫版で改めて最初から読んみて、梅図かずおの描く数々の未来予想があまりにもリアルで現実的なことに驚きました。既に10年後の現在にして、自分たちがこの未来予想図に片足突っ込んでいるような気がしてなりません。
近未来、繁栄の頂点を迎えた人類だったが、いままで搾取されつづけた地球が突如そのリミットを越えて「滅亡」へのカウントダウンが始まってしまう。各国の首脳は選ばれた子供のみを宇宙船に乗せて人類の存続を図るが、その人類の遺伝子自体の寿命もあと「14年」しか残されていないことが明らかになっていく・・。全体のストーリーとしてはこんな感じですが、梅図かずおのすごい所は、人類がいままで繁栄の名のもとに好き放題に犯してきた「犯罪」の一つ一つを、見える「形」で提示して糾弾・贖罪を求めている所です。

まず最初にチキンジョージという、頭部がニワトリ型の異形の怪人が登場します。この近未来では鶏や牛・豚を育てるまでもなく、チキンの「ササミ細胞」のみを培養して食肉を生産しているのですが、このササミ細胞が突然変異を起こしてチキンジョージが生まれてきます。このチキンジョージとは、今まで人間が好きなだけ「食い物」にしてきた「動物の呪い」だという話で、人間をも凌駕する高度な知能と科学力を身につけて人類に復讐しはじめます。
こちらのサイトでたまたま作者のインタビューを読んだのですが、梅図かずおは「一方的に支配され食べられてきた動物たちは、必ずその屈辱感を感じつづけている。そしてその怨念のパワーは、例えば『病気』などの形で必ず現われてくる」というような事を言っています。この漫画が連載されていた当時には全然話題にもなってなかったと思うのですが、その後世間では「狂牛病」だの「鳥インフルエンザ」だのと動物をめぐる病気の脅威で次々に脅かされるようになりました。狂牛病に至っては「プリオン説」というのもあくまで「仮説」に過ぎず、本当の原因すら分かっていないそうなので、「呪い」という表現ほどピタリと当てはまるものはありません。全く先見の明があるというか、天才的な直感で感じ取っていたんじゃないかと感心するばかりです。
この、食べるためには避けられない「動物たちの呪い」とどうやって向き合っていけばいいかという問いに対して、梅図かずおが先のインタビューで語っていたのは「三角食べをすれば恨みが他のものに逸らせられる」という無邪気なお答えでしたが、色々と考えさせられます。もちろんお肉を食べずに生きていくことは難しいと思うのですが、人工的な製法ではなくオーガニックな畜産法で鶏に気持ちよく育ってもらうとか、古来お祭りなどで動植物に感謝や「みそぎ」の心を表していたように、せめて食べる前にお祈りしてみるとか、少しづつ共存の仕方を考えていかないとならないのかもしれませんね。
(この漫画のレビューは長くなりそうなので何回かに分けて書く予定です)

P.S.かくいう私も昨日はクリスマスという事でチキンをたっぷりいただいてしまいましたが、今回はオーガニックの鶏にしてみました。やっぱり健康に育っていると筋肉も硬くて味もおいしいですね・・。

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ついに日本でも「鳥インフルエンザ」が発生してしまいました。「心配ない」と各社が発言しているのを読むと、逆に不安になってきます。鶏肉も安心して食べられなくなってきましたね・・。

Yahoo!ニュース:山口で鳥インフルエンザ 79年ぶり国内感染 養鶏場の6000羽死ぬ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040113-00000017-nnp-kyu

Yahoo!ニュース:鳥インフルエンザの鶏処分、山口県が立ち入り検査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040113-00000004-yom-soci

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多摩川のほとりでのんびり暮らす3人家族の日常と果てなき好奇心を綴ったブログです。

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